はじめに
マッチングして、何度か会うところまで進んだ。食事も楽しかったし、相手もにこやかに話してくれる。それなのに、関係がそこから先に進まない。気づけば、連絡の間隔が少しずつ空いていく——。
そして、なんとなく伝わってくるのが、「とてもいい人なんだけど……」という空気。50代の男性にとって、これほど悔しい評価はないかもしれません。
以前の記事では、メッセージの段階で「いい人」のつもりが逆効果になる行動を取り上げました。今回はその先、実際に会うようになってから、「いい人」で終わらずに、関係を一歩進めるためのコツを3つ紹介します。
なぜ「いい人」で止まってしまうのか
「いい人」と思われているということは、安心感や誠実さは、もう十分に伝わっているということです。これは、大きな強みです。
足りないのは、その先です。相手からすると、「楽しい人だけど、自分のことをどう思っているのか分からない」「どんな人なのか、まだよく知らない」「この先、どうなるのかが見えない」。この三つの「分からない」が残っていると、関係は友達のような距離のまま、止まってしまいます。
今回の3つのコツは、それぞれ、この「分からない」を一つずつ減らしていくためのものです。
コツ1:好意は、ちゃんと言葉にして伝える
よくある例
デートのたびに「楽しかったです」とは伝えているが、それ以上のことは言っていない 「大人なのだから、態度で分かってもらえるだろう」と考えている 相手を気遣うあまり、自分の気持ちを見せないようにしている
なぜ大切なのか
「楽しかったです」は、友人同士でも使う言葉です。それだけでは、相手は、あなたが自分を「一人の女性として」見ているのか、「話の合う知り合い」として見ているのか、判断できません。
特に、穏やかで紳士的な人ほど、気持ちが表に出にくいものです。態度で伝わっていると思っていても、相手からは「友達として楽しんでいるのかな」と受け取られていることがよくあります。
こうしてみよう
大げさな告白をする必要はありません。「楽しかった」に、「あなたと」を足すだけで、意味が変わります。
「今日は〇〇さんとお話しできて、本当に楽しかったです。また会えるのが楽しみです」 「〇〇さんと一緒だと、時間があっという間ですね」
主語を「今日」ではなく「〇〇さんと」にする。それだけで、「あなただから楽しい」という気持ちが、相手にまっすぐ届きます。
コツ2:自分の話も、少しだけ打ち明ける
よくある例
デート中は、相手の話を聞くことに徹している 自分の話は、仕事や趣味など、当たり障りのない内容にとどめている 弱みや失敗談は、格好悪いと思って話さないようにしている
なぜ大切なのか
聞き上手であることは、素晴らしい長所です。ただ、相手の話を聞くばかりで、自分のことをほとんど話さないと、相手は「この人のことを、まだよく知らない」と感じたままになります。
人は、相手が少し心を開いてくれたと感じたとき、自分も心を開きやすくなるものです。完璧な面だけを見せている間は、どうしても「感じのいい人」の距離から、近づきにくくなります。
こうしてみよう
3回目、4回目のデートあたりから、少しだけ本音や、ちょっとした弱みを話してみましょう。
「実は、一人の夕食が、最近ちょっと寂しく感じるようになってきまして」 「料理を始めたんですが、まだ失敗ばかりで。この前は煮物を焦がしてしまいました」
重すぎる話や、過去の恋愛の愚痴は控えめに。相手が「そうなんですね」と、ふっと笑えるくらいの打ち明け話がちょうどいい加減です。その一言で、二人の距離は、ぐっと近づきます。
コツ3:次の約束は、その場で決める
よくある例
別れ際に「また連絡しますね」と言って、その日は終わる 帰ってから、次の誘いの文面をあれこれ考えて、数日経ってしまう 毎回、同じような喫茶店や食事で、デートの内容が変わらない
なぜ大切なのか
「また連絡しますね」は、丁寧な言葉ですが、相手には「次があるのかどうか、分からない」という余白を残してしまいます。その間に、相手の気持ちは、少しずつ冷めていきます。
また、毎回同じようなデートが続くと、関係そのものも、同じ場所で足踏みしているように感じられます。次の約束が具体的に決まっていることは、「この人は、この先も一緒に過ごしたいと思ってくれている」という、何よりの意思表示になります。
こうしてみよう
楽しい時間を過ごせたら、別れる前に、その場で次の予定を話してみましょう。
「さっきお話に出た紅葉の庭園、今度一緒に行きませんか。再来週の日曜あたりはいかがでしょう」 「次は、〇〇さんがおすすめしてくれたお店に行ってみたいです」
行き先を、喫茶店から散歩や小旅行へと、少しずつ広げていくのもおすすめです。一緒に過ごす時間の種類が増えるほど、関係も自然と深まっていきます。もちろん、相手の返事がはっきりしないときは、無理に決めず、「また改めてご相談させてください」と引く余裕を忘れずに。
3つに共通する、「いい人」の先へ進むポイント
3つのコツに共通しているのは、「誠実さはそのままに、自分の気持ちと意思を、もう一歩はっきり見せる」という点です。
- 「楽しかった」に、「あなたと」を足して伝えているか
- 自分のことも、少しずつ打ち明けているか
- 次の約束を、その場で具体的に決めているか
「いい人」であることを、やめる必要はまったくありません。安心感という土台の上に、あなたの気持ちを少し乗せる。それだけで、「いい人」は「大切な人」へと変わっていきます。
気持ちを見せるのは、勇気のいること
50代にもなると、気持ちを言葉にすることや、弱みを見せることに、照れや怖さを感じるのは当然です。断られたら、気まずくなったら、と考えてしまうのも無理はありません。
けれども、相手もまた、あなたの気持ちが分からずに、同じように迷っているのかもしれません。先に一歩踏み出すのは、少しの勇気です。その勇気こそが、穏やかで誠実な人柄に、最後に足りなかった一ピースなのです。
まとめ
何度か会えているのに関係が進まないときは、「いい人」の先へ、もう一歩踏み出すタイミングかもしれません。
「いい人」で終わらないための3つのコツ:
- 好意は、ちゃんと言葉にして伝える
- 自分の話も、少しだけ打ち明ける
- 次の約束は、その場で決める
いずれも、誠実さはそのままに、自分の気持ちをもう一歩見せるためのコツです。次のデートで、まずは一つだけ、試してみてください。