はじめに
写真は華やかで、年齢もずっと若い。仕事も順調そうで、メッセージは丁寧。そのうえ、こちらの話に何でも「私もです」と合わせてくれる——そんな相手とマッチングしたら、「ついに理想の人に出会えた」と、うれしくなるのは当然のことです。
もちろん、本当に素敵な方と出会えることもあります。ただ、何もかもが自分の理想どおりにそろっているときほど、一度だけ、冷静に見直してみる価値があります。
以前の記事では、連絡先の交換を急ぐ相手や、アプリをやめさせようとする相手を取り上げました。今回は、行動ではなく印象の面から、「完璧すぎる」と感じる相手に潜む危険なパターンを3つ紹介します。
なぜ「完璧すぎる」ことが、危険信号になるのか
人には誰でも、好みの違いや、苦手なこと、うまくいっていない部分があります。やり取りを重ねていけば、そうした部分が少しずつ見えてくるのが、自然な姿です。
反対に、相手をだまそうとする人は、「理想の相手」に見えるよう、意図して自分を作り込んできます。写真、肩書き、受け答え——すべてが、こちらに好かれるために用意されたものだとしたら、完璧に見えるのは当たり前です。
もちろん、条件のいい相手がすべて怪しいわけではありません。大切なのは、「完璧だから疑う」ことではなく、「完璧に見えるときこそ、確かめる手順を省かない」ことです。
危険なパターン1:写真も条件も、そろいすぎている
具体例
プロフィール写真が、雑誌のモデルのように整っていて、どれもプロが撮ったような仕上がり 年齢がずっと若く、仕事も華やかなのに、なぜか50代の自分に相手の方から積極的にいいねをくれた 自己紹介文は短く、内容がどこか当たり障りなく、具体的な暮らしが見えてこない
なぜ危険なのか
写真は、他人のものを無断で使うことができてしまいます。あまりに整いすぎた写真ばかりのプロフィールは、本人のものではない可能性を、頭の片隅に置いておく必要があります。
また、条件が良すぎる相手から積極的に近づいてこられると、人はうれしさで判断が甘くなります。「なぜ、この人が自分に?」という素朴な疑問は、失礼な考えではなく、自分を守るための大事な感覚です。
見極めのポイント
やり取りの中で、日常の具体的な話をたずねてみましょう。「最近、どんなお店に行きましたか」「お住まいの辺りは、どんな雰囲気ですか」といった質問です。本当にその暮らしをしている人なら、自然に具体的な答えが返ってきます。話がいつも曖昧なままだったり、すぐに別の話題に変えられたりする場合は、慎重に様子を見ましょう。
危険なパターン2:何を話しても、意見がぴったり合いすぎる
具体例
趣味、好きな食べ物、休日の過ごし方、どれを話しても「私もです!」と返ってくる こちらが書いた理想の関係や将来像に、「まったく同じことを考えていました」とすぐに同意してくる 知り合って間もないのに、「こんなに気が合う人は初めてです」「運命を感じます」と強い言葉を使う
なぜ危険なのか
気が合うのは、うれしいことです。しかし、別々の人生を何十年も歩んできた二人が、何から何まで一致するということは、実際にはほとんどありません。
相手の言葉をそのまま返して同意するのは、短い時間で信頼を得るための、よくある手口でもあります。「理解してくれる人に出会えた」という気持ちが強くなるほど、その後の頼みごとを断りにくくなっていきます。
見極めのポイント
相手自身の考えや好みを、こちらから先に言わずに、たずねてみましょう。「〇〇さんは、休みの日はどう過ごすのが好きですか」と、答えを相手に任せる聞き方です。また、あえて自分と違う意見を伝えてみるのも一つの方法です。誠実な相手なら、「私は少し違って……」と、自分の言葉で返してくれるはずです。
危険なパターン3:暮らしぶりに隙がなく、成功の話ばかりが続く
具体例
高級なレストラン、海外旅行、立派な自宅など、豊かな暮らしを思わせる写真や話が多い 悩みや失敗談が一切出てこず、すべてが順調だという話ばかりが続く 「実は、資産運用がうまくいっていて」「あなたにだけ、特別に教えますね」と、お金の話につなげてくる
なぜ危険なのか
豊かで余裕のある暮らしぶりは、相手を信用させるための、分かりやすい材料になります。「これだけ成功している人が言うのだから」と思わせたうえで、投資や副業の話を持ちかけるのは、典型的な流れです。
恋愛や結婚の相手を探す場で、知り合って間もない相手にお金の増やし方を勧める理由は、本来ありません。好意と、お金の話がセットで出てきたときは、はっきりとした危険信号です。
見極めのポイント
投資、暗号資産、副業、送金など、お金に関わる話が出た時点で、どれだけ魅力的な相手でも、応じないと決めておきましょう。紹介されたサイトやアプリに登録したり、お金を預けたりしてはいけません。不安を感じたら、やり取りの画面を残したうえで、アプリの運営に通報・相談しましょう。迷ったときは、家族や友人、消費生活センターなど、身近な窓口に相談することも大切です。
3つに共通する、見極めの視点
3つのパターンに共通しているのは、「自分にとって、都合が良すぎる」という点です。
- 写真や条件が、整いすぎていないか
- 何を話しても、意見が合いすぎていないか
- 成功の話ばかりで、やがてお金の話につながっていないか
現実の人には、好みの違いも、苦手なことも、うまくいかない日もあります。そうした「人間らしい凸凹」がまったく見えない相手には、時間をかけて、慎重に向き合いましょう。
「完璧ではない相手」こそ、信頼できる
少し意見が違ったり、返信が遅い日があったり、苦手なものを正直に話してくれたり——そうした部分は、相手が作り物ではなく、実際に暮らしている一人の人である証拠です。
完璧な相手を探すより、凸凹を見せ合える相手を探す方が、安心できる出会いにつながります。うれしい気持ちは大切にしながら、確かめる手順だけは省かずに、自分のペースで進めていきましょう。
まとめ
何もかもが理想どおりの「完璧すぎる相手」には、見極めておきたい危険信号があります。
危険信号となる「完璧すぎる相手」のパターン3選:
- 写真も条件も、そろいすぎている
- 何を話しても、意見がぴったり合いすぎる
- 暮らしぶりに隙がなく、成功の話ばかりが続く
いずれも、「自分にとって都合が良すぎないか」が見極めの鍵になります。完璧に見えるときこそ、確かめる手順を省かずに。そして、お金の話が出たら、きっぱりと距離を置きましょう。